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山行報告:八ヶ岳アイスクライミング

美濃戸〜南沢〜地蔵尾根〜赤岳


ルート図

行程

  • 1月26日 浜松=静岡=美濃戸―南沢小滝
  • 1月27日 ―赤岳―美濃戸

メンバー

浅田、佐々木、青木(賢)


一年生を連れて、レンタカーで八ヶ岳へアイスクライミングに行った。僕は初リードでスクリューのセットに苦労した。 翌日は、快晴・無風の中、赤岳頂上を踏むことができた。

text:青木 photos:青木


1月26日 快晴

浜松3:30=静岡5:00=美濃戸口9:15―美濃戸山荘11:00―南沢小滝12:30―終了17:00

前日準備に時間がかかったせいで寝るのが遅くなり、朝少し遅れた。国一バイパスが夜間工事で迂回して静岡までいつもより時間がかかった。 部室に寄ってまとめておいた装備をとり、出発。52号線はスムーズにいっていい時間に美濃戸口に着き、身支度して出発。 慣れた道を通って美濃戸山荘に着き、水作りをしなくていいように水を汲んだ。ここから、右側の南沢の登山道に入るが 南沢は一度も行ったことが無かったので心配していたもののトレースがあったので安心した。 しばらく沢をつめ、左側の斜面を登って降りてからしばらく進むと辺りにロープが張ってあり、ピックを差す音が聞こえてきたので行ってみると 南沢小滝だった。

滝は10mくらいの垂直、左から回り込んでトップロープを張れる。写真で見たほど発達していない。 もう少し経てばさらに左右に発達するだろう。すでに2パーティがいて、若い人たちがいるなーと思っていたら、高校時代の山岳部の後輩が いた。偶然!3時くらいに彼らが行者小屋に登っていったので、空いたスペースで初リードすることにする。 左手を上に打ち込みスタンスを安定させて右手でスクリューを入れるが、右のアックスのリーシュを外さねばならず その時にアックスを落としそうになる。 スクリューをねじ込む時に力が必要で反作用で壁からはがされそうになるし、最初食い込ませるときに落としそうになる。 体制が悪いのか左手がパンプして右手に持ち替えたりしていた。 厚い手袋ではスクリューを取り出すのが不自由で、最後はオーバーグローブを外してやっていた。 このことから分かったのは、スクリューをセットする右のアックスはリーシュレスにして落下防止のために紐でハーネスに結ぶ、 スクリューのラッキングを工夫する、ゲレンデ的な難しいアイスでは薄いグローブのほうが有効ということだ。 ただ、アルパイン的なアイスの場合薄い手袋では厳しいだろうから、そのときは厚い手袋でやるしかないだろう。 トップロープを張って、それぞれ3・4本くらい登った。

本来行者小屋に行く予定だったが疲れていたし、暗くなるまで登っていて今更進む気になれず、すぐ下の平らなところを整地して就寝。

小滝に到着

リード中

浅田

佐々木


1月27日 快晴

起床9:00−出発10:00−行者小屋11:00−赤岳13:00−美濃戸山荘15:30−美濃戸口17:00−

前の日就寝が遅かったし疲れてて寝坊。剱の報告で時間を守ろうとか言っておきながら寝坊したのは良くなかった。次はもっと早く寝よう。 不要な荷物をその場にデポしてサブザックで行くことにする。準備をしていると大滝を登るパーティに会った。 遅れを取り戻そうと一生懸命歩き、ほぼ平坦な道をたどって行者小屋に出る。 アプローチから横岳西壁が良く見え大同心も去年より着雪が少なくて、今ならドームも登れただろうなと思った。

小屋の左から地蔵尾根に取付く。最初は樹林帯の登りで、木がまばらになってきた辺りでアイゼンをつける。 尾根の上部はクラストしていて、アイゼンが良く効く。所々に地蔵が顔だけ出していてびっくりした。 展望荘で休憩をして、練習のためにコンテで行くことにする。真ん中の佐々木がロープが邪魔になって歩きにくいとのことだったので、 ギアラックのビナにロープを通して対処する。ここはハーネスに連結する結び目を長くして手に持ったほうが良かったかもしれず検討の余地がある。 頂上は快晴で中央・北アルプスが良く見えた。他の登山者に写真を撮ってもらって、文三郎道から下山した。 荷物をデポした地点に戻り装備をパッキングして、朝のパーティのトレースをたどって大滝を偵察しにいった。 写真で見るよりもスケールが大きく、上部は垂直でそそり立つような滝に圧倒されもっと練習してまた登りに来たいと思った。 その後、沢沿いでカモシカの親子に会った。道に居座わられて困った。結局暗くなる前に美濃戸口の駐車場に戻れた。

アプローチから見る大同心

地蔵尾根1

地蔵尾根2
山頂

総話

今回僕がリーダーとなって下級生を始めて連れて行ったので不安はあったが、天気が良く全ての道にトレースがあったのでルーファイも楽だった。 本来は大滝をリードする予定だったが小滝で十分だった。もっと練習を積んでまた来たい。

僕は、アイスとは正対でパワー引付でガンガン登っていくものと思っていたが、意外にフリーのような繊細なムーブを必要とすると感じた。 垂直とはいえアックスをさすと上体がそれて、体感は垂直以上になる。 氷の弱点を拾って安定した体勢を作ったり、スクリューをセットする位置やアックスを打ち込む位置など考える必要があり テクニカルなクライミングが要求される。そこが面白いところだとおもう。 その後に部費で購入した新しいスクリューの性能をを早く試してみたい。

さらにコンテについても一言。コンテでは岩場等でロープが邪魔になることは去年のゴールデンウィークの剱で感じた。 そのようなコンテでは意味が無いばかりでなく、危険でもある。 その場合リーダーと初心者がアンザイレンして他の人はロープなしで行動したほうが安全だろう。 ロープをつけているとなんとなく安心してしまいがちだが、もし落ちたらどうなるかを常に考えて落ちたら止まらないと思えば すぐにスタカットに切り替えなければならない。 いずれにしても、各個人が確実な歩行技術をつけることが大切で、個人の技量が上がればコンテでも速く安全に通過でき行動全体が スピーディになる。 そうした雪上歩行トレーニングのためにもまた皆で八ヶ岳に行きましょう!


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